恒川光太郎「滅びの園」

ネタバレしますよー



鈴上誠一は、ある日突然異世界へ迷い込む。
そこはとても穏やかな、優しい場所だった。
かつて彼の<現実>だった世界よりも、ずっと居心地の良い安らげる場所だった。


そんな彼の元に、手紙が届くようになる。
かつていた世界での妻から、総理大臣から、好きだったアナウンサーから…
そしてそれらの手紙から知らされる地球の危機。
鈴上が平穏な暮らしを送っている一方で、地球は謎の生物・プーニーによって浸食されている。多くの人々がプーニーの被害に合い死んでいく、自殺していく、街は燃えていく。


絶望的な状況になっている地球、
そして手紙には、鈴上がこの地球を救うことができるかもしれない唯一の存在であることが伝えられる…

ほどなくして、地球からの使者が鈴上の元へ現れる。
地球を救うために、今いるこの世界を壊すように説得をするが、
鈴上が下した決断は、今いるこの世界とこの世界の家族を守ることだった。
鈴上は地球からの使者を殺してしまう―



ここで1章は終わり
2章では地球の惨状と、プーニーと戦う人たちの物語が始まっていく



私がここ数年ドはまりしている恒川光太郎さんの新作です。
未来的なSF要素があってちょっといつもと印象が違います。
面白いのは変わりませんが!
貴志祐介さんの「新世界より」をなんとなく思い出します。
あれもすごく好きです。


さて、今まで読んできた作品は、
悲しさ・優しさ・美しさ・すっきり
といった言葉ではまるんですけど、これはちょっと違いました。


私としては果てしなくバッドエンドで、鈍痛を味わいました。
2章以降は地球側の視点での話があって、
結局は鈴上の選択は地球に反旗を翻すことだったわけだから、
この終わり方も分かるんだけど…。



とてもせつない。
大切なものを守ろうとして、失って、恨んで、
人を敵視したり、攻撃してしまう・変わってしまう姿。



ただ、そしてその負債こそが彼が出会った愛によるものなのなら…と言い聞かせることにしませんか
そうでなければ、そんな風に噛みくださないと飲み込めないです